1997年に公開された「Air/まごころを君に」はアニメ版エヴァンゲリオンの25・26話の補完の目的で制作された映画です。
このラストシーンは当時大きな波紋を呼んだことで有名なシーンです。
アスカの「気持ち悪い」という一言でエンディングも無く終わるこの構成は衝撃的な上に見た人に疑問を残すような終わり方でした。
そこでこの記事では
- 「気持ち悪い」という言葉の意味や理由の考察
について書きたいと思います。
この記事ではネタバレを含みますので、ネタバレをされたくない人はご注意ください。
目次
アスカの「気持ち悪い」のシーン
まずはアスカの「気持ち悪い」のシーンがどんな場面であったのかをおさらいしたいと思います。
前述したとおり、このシーンは映画「Air/まごころを君に」のラストシーンです。
サードインパクトが起こったことにより、一度すべての人類がLCL化してひとつになりました。
サードインパクトの依り代となったシンジは世界の行く末を決める選択を迫られることになります。
「人類のすべてが一つになり、他者も自分もない世界」と「今までの他者と自分が混在する個々の世界」との選択です。
様々な絶望を乗り越えていたシンジは、この時「自分がここにいてもいい、他人がそばにいてもいい」という心境であったため、元のここの世界の形を求めます。
こうしてサードインパクトを終息させたシンジは赤い海の砂浜で目を覚まします。
この時シンジの横には唯一他人として存在を許したアスカが倒れていました。
しかし、他者に否定される恐怖を完全に拭い去ることが出来ないシンジは、アスカの首を絞めて殺そうとします。
シンジは泣きながらアスカの首を絞めるのですが、アスカは抵抗もせず、そんなシンジの頬を撫でます。
するとシンジは首を絞めるのを止めて泣き崩れます。
泣きじゃくるシンジの姿を見てアスカは一言、虚ろな瞳で「気持ち悪い」と呟いたところで、物語は終わります。
このような生きることと死ぬことが複雑に表現されたラストシーンでした。
監督である庵野さんが「見た人の想像にお任せします」という言い方をしたこともあり、多くの人に衝撃と疑問を与えたラストシーンとなりました。
アスカの「気持ち悪い」意味や理由を考察!
では、アスカはいったいどのような感情で「気持ち悪い」とつぶやいたのでしょうか。
この章ではその意図について考察していきたいと思います。
アスカの愛が冷めたから
作中でアスカはシンジに対して「あんたが全部私のものにならないのなら、私は何もいらない」と言うシーンがあります。
素直になれないアスカのこの言葉は、見方を変えると「シンジに愛してもらえないなら命さえもいらない」とも受け取れます。
もしかしたらこのときのアスカは、シンジに首を絞められ殺されてもいいと思っていたのかもしれません。
その愛しい想いの表れが、シンジの頬を撫でるという行動だったのだと思われます。
そしてシンジはその行動を受けてアスカの愛を感じ取ります。
シンジは、自分にとって初めて感じた愛に涙が止まらなくなりますが、一方のアスカは、死さえも受け入れたというのに、結局自分の思いに応えてくれないシンジに対して、憤りのようなものを感じたはずです。
「私の想いにちっとも応えてくれないくせに、なんで自分だけ満足しているの?」という感情が「気持ち悪い」という言葉につながったのだと考えられます。
「気持ち悪い」の原案は「あんたなんかに殺されるなんて真っ平よ」だった
このラストシーンのアスカのセリフ、原案では「あんたに殺されるなんて真っ平よ」というセリフだったとも言われています。
ところがアフレコ中に庵野監督が、アスカ役の声優の宮村さんに「夜中に目を覚ましたら部屋に見知らぬ男が入り込んでいて、君のことを強姦出来るのに、ただ君を見てオナニーをしている。君ならどう思う?」と尋ねたそうです。
その時の宮村さんが「気持ち悪い」と答えたことで、庵野監督はセリフを差し替えたそうです。
確かに普通に考えても、自分を殺そうとしていた相手が突然泣き出したら気持ち悪いかもしれませんね。
アスカの「気持ち悪い」に対する感想や疑問の声
ではここで視聴者の方の実際の声をみてみましょうか!
一部ですが、ご紹介していきます。
ネットの声
ネットの声などを見ているとやはり最後のラストシーンで置いて行かれたという人は多かったみたいです。
「気持ち悪い」の一言が何に対してなのか、どういう意図であったのか、疑問視する声は多かったです。
まごころ見終わったけど…………なんもわからん……………………気持ち悪いって何に対して言ったんだ…………………
— たりぃこ (@TARILIKO) June 5, 2021
まごころを君にのラストでアスカが言った『気持ち悪い』って、どういう意味なんだろってずっと考えてたけど、普通に考えて横たわる自分に馬乗りになって首を絞めながら嗚咽してる知り合いがいたら気持ち悪いと感じて当然だよな……
— ツキノヱ@skeb募集中 (@agitato_mazurka) March 10, 2021
一方で絶望を繰り返す物語であるエヴァンゲリオンらしい終わり方だという意見も見受けられました。
アスカには痛い思い、気持ち悪い思いをいっぱいさせちゃって申し訳ないけど
私は
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを君に
…が結構好きなのだ🎬救いのない終わり方をしてるけど
現実とはそんなもんだよな。と思わせてくれるのだ😓今のエヴァが好きな人にはごめんなさい💦#久々に見た
— まさっぷ☆ (@ma_sa_ppu) May 6, 2020
「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」観終わった!!!
アニメシリーズ25話から派生し、異なる結末を迎える作品。人間の感情、生物のシステムを徹底的に映し出すことで見出す希望と絶望。他人を慈しむ心とは、正しく”ありがとう”、”気持ち悪い”なのかもしれない。 pic.twitter.com/74JP85rqZd— ファルケンなう (@FALKEN_now) March 3, 2021
私自身このラストシーンを初めて観た時には突然の終幕に理解がついていけなかったです。
意味がわからず、その意味を必死に考えてましたね
一方ネット上では圧倒的に多い感想が一つありました。
その一言を見て私も納得しました。
その一言とは
「気持ち悪い」
みんなが必ず抱く感想ですよねw
まとめ
ということでこの記事では
- 「気持ち悪い」という言葉の意味や理由の考察
以上についてお伝えしてきました。
Q.「気持ち悪い」の言葉の意味や理由は?
→殺されることを受け入れたアスカの愛に対して
泣き崩れる事しか出来ないシンジを「気持ち悪い」と感じていた
「気持ち悪い」の原案は「あんたなんかに殺されるのはまっぴらよ」だった
25年な歳月を経て、ついに2021年に完結したエヴァンゲリオン
シン・エヴァンゲリオン:||は私も観に行きました。
物語が完結した充実感と切なさと様々な感情が湧いてきます。
この気持ちのままこれからアニメ版から見直したい気分です!
皆様もこれを機に「まごころを君に」を含むすべての「エヴァンゲリオン」を見直すのはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました!